ゴローと呼ばれた男:歌劇団Kamite夏のコンサート

歌劇団Kamite、今まで多摩地域を常に拠点としてきましたが、今回初めて都心での公演を試みます。 先日1月20日の《ジャンニ・スキッキ》/《ラ・ボエーム》で、《ボエーム》合唱メンバーが大活躍だったことは、関係者の皆さんにとってもご来場の皆さんにとっても、記憶に新しいのではないでしょうか...来る7月7日はこの合唱チームを構成していた若手歌手が再集合し、オリジナリティあふれるステージを展開します。


第一部はメンバーのご紹介も兼ねてのガラコンサートです(^^)「ご紹介も兼ねて」と書きましたが、地味にハードな曲が多いのが実態なので(!)なかなか聴きごたえあるのではと思います。オペラの笑いあり・涙ありな場面を色々上演した後には、トロンボーンの大きな独奏曲。そして日頃は演出として団を引っ張っております舘も、ピアノで登場する予定です。

第二部は《ゴローと呼ばれた男》というタイトルで、歌曲やアリアを繋げつつ、オリジナルの音楽劇を上演します。「ゴロー」とは《蝶々夫人》に登場する日本人のキャラクター。蝶々さんをアメリカの海軍士官ピンカートンの「現地妻」に紹介した張本人…ある意味で《蝶々夫人》の悲劇の引き金を引いた人物でもあります。特に《蝶々夫人》第一幕では言葉の端々に、蝶々さんとゴローの生き方の違いが出ています。

 

今回はそんなゴローに焦点を当てて、台本を書きました。どうして二人は別の生き方を選んだのか。そして蝶々さん亡き後、ゴローはどんな人生を送っているのか……そんなことを考えながら書いた、ちょっと切ない物語です。「ゴロー」という、いかにも当時の海外から見た日本人の名前にも、あえて意味を持たせてみました。もし彼が何らかの事情で、本当の名前を隠すために「ゴロー」と名乗っていたとしたら・・興味深いと思いませんか?ですから、台本のタイトルは「ゴロー」ではなく「ゴローと呼ばれた」なのです。こちらのピアニストには、かつての第1回オペラ公演《蝶々夫人》で演奏してくれた畠山正成君を久々にお迎え出来ました。彼を含めて出演者が総勢17名おりますので、具体的な役柄もあれば、抽象的な役柄もあれば、登場の仕方は様々。ですが、出番の物理的な多さや場面問わず、私としては一人一人に心を込めて今回選んだ曲を託したつもりです・・・・・・心込めすぎてすごい選曲になってしまいましたが(笑)

 

というわけで長文となりましたが、ぜひ七夕の日は高円寺Studio Kにお越ください!

 

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【歌劇団Kamite 夏のコンサート】

 

日時:2018年7月7日(土)13時半開演(13時開場)

会場:Studio K (高円寺駅徒歩約7分、スタジオ2)

入場料:3000円

予約/お問合せ:かみて音楽事務所(担当:森谷)

   TEL: 090-1776-9376  MAIL: opera.kamite@gmail.com

              HP: https://opera-kamite.jimdo.com

 

[キャスト]

 打越梨紗、小林可奈、前田理恵、松浦友香、山田裕香、吉川歌穂

 泉静、宇津木明香音、田中沙友里、星智恵

 大塚康祐、高橋拓真、武田聖智、町村彰、森谷健太郎、木戸大輔

 

[演出・演奏]

 舘亜里沙(第一部ピアノ/演出)

 畠山正成(第二部ピアノ)

 

[概要]

 第一部:歌劇団Kamiteスペシャルガラ・コンサート

 第二部:オリジナル音楽劇《ゴローと呼ばれた男》

歌劇団Kamite第二回公演にて《ラ・ボエーム》の合唱として大活躍だった若手歌手が、再び集いました。第一部では重唱や重奏の名曲を盛り込んだ、今回のメンバーならではのガラ・コンサート。第二部では、プッチーニの名オペラ《蝶々夫人》のもう一人の日本人登場人物ゴローに焦点をあて、オリジナルの台本とクラシックの名曲による音楽劇を展開します。蝶々さんを悲劇へと追いやった一人である彼の、本音は…?その後は…?