主宰団体歌劇団Kamiteでは、2020年3月8日(日)に『鼓動する聲――オペラ歌手が描く「生き様」の数々』を公演し、
・実在人物の生涯を描いた『一人芝居ミュージカル短編集』から2篇
・《蝶々夫人》の前日談&後日談である『ゴローと呼ばれた男』新版
をお披露目しました。が、それが現状最後の生舞台となり、それ以降の公演は新型コロナウィルスの影響で軒並み延期となっています。
私自身も『鼓動する聲』を終えるまでは、細心の注意を払いつつ決められた上演を果たすということに努めていましたが、アーティストの間にも稽古で外出するのが不安だ、会場にお客さんを呼ぶというのが恐いetc.という声が聞かれるようになり…今後のアウトプットの仕方について、発想の転換を余儀なくなれています。むしろ、今だから思いつく表現もあるのでは?
ということで、生舞台『鼓動する聲』の後に続きながらも、新たなパフォーマンスの在り方を探る企画として『ポスト・コドウスル聲』を始動しました。その想いと企画概要をFacebookに綴りましたので、こちらにも掲載させていただきます。
まずは、一刻も早く事態が収束しますように。
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例のものが出て以来、舞台関係者とはなかなか心許ない話ばかりになってしまうのが現実でした。
私の周りは幸運にも、舞台を創るということについて素晴らしい技術や表現力を持った方ばかりのはずなのに、演目の内容以前のところでストレスフルなやりとりをしなければならない。
この状況の何と勿体ないことか……
そんな中、これまでも度々お世話になった役者でありスタッフであるたきざわ勝彦さんから、来年2月のFesta@Green Vol. 1参加団体募集のお話をいただきました。
正直なところ、既に引き受けている本番と延期になった公演が一番バッティングしている時期であり、そもそもこの事態もいつ収束しているかわからない中、興味を持ちつつも躊躇していたのですが…
逆にこれは今だからこそ考え付くであろう色々なアイディアを具現化するチャンスかもしれないと考え、参加を決めると同時に事を起こしはじめました。
ということで……歌劇団Kamite初の試み、リモートで集めた素材とライヴ演奏のコラボレーション、しかもWeb配信といわゆる「本番」を合体させた企画です。
これまで生舞台にこだわってきたKamiteとしては、やはり「本番」に最大の価値は置いておきたい、その一方で「本番」の可否によってゼロか百かみたいなことはしたくない。
仮に収束したとしても延期公演とその稽古が立て続くであろう時期に、最小限のリハーサル回数と録り溜めてきた素材で作品を創る。
何よりお客様にはどんな形であれ、必ずこちらが準備してきたものは還元する。
そんな想いで企画を始めました。
ご参加いただいているアーティストの皆さまにつきましても、普段のオペラや音楽劇の演出だったらできないことを敢えて依頼させていただいたり、普段なかなかオペラではコラボできないジャンルの方をお誘いしてみたりと、色々挑戦しております。
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歌劇団Kamite 出張公演
『ポスト・コドウスル聲』
◎2020年5月~:Webパフォーマンス『音の灯火プロジェクト』
月1~2回の無料配信
「ごんぎつね」の作者として有名な新美南吉の詞をベースに、歌う人達・演じる人達・奏でる人達の「聲」を集めました。あらゆる場所から集められた「聲」は、やがて来る舞台に向かって、音楽のバトンを繋いでゆきます。
◎2021年2月11日(木・祝):Tubeステージング『灯火の先』(Festa@Green Vol.1参加作品)
成美教育文化会館グリーンホールにて14時より
入場料1,500円(当日2,000円、こちらの入場券でほかのFesta@Green参加作品もご覧いただけます。)
Webパフォーマンスが画面を飛び出し、会場のお客様のもとへ。音楽のバトンが舞台上で「聲」を紡ぎ、進化してゆく様をご覧ください。
※万一Festaそのものが今後の社会情勢で中止となった際にも、映像作品等で何らかの完結編を発表いたします。
参加アーティスト:藤野沙優/齋藤久美子/さくら/長澤直子 ほか
総合演出:舘亜里沙
【Webパフォーマンス配信元&Tubeステージングご予約先】
歌劇団Kamite:https://opera-kamite.jimdofree.com/
【コンセプト紹介&予告動画】
https://opera-kamite.jimdofree.com/…/%E3%83%9D%E3%82%B9%E3…/
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予告動画には、歌劇団Kamiteとしては現段階で最後の生舞台『鼓動する聲』より、《ゴローと呼ばれた男》のラストに出したハミングコーラス(蝶々夫人)を使わせていただきました。
だから企画名も「ポスト・コドウスル聲」です。イメージ画は『鼓動する聲』のポスターのデザイナー、藤田蓮さんの画像を使用させていただきました。
配信の第一弾は、新美南吉『ひとつの火』の朗読パフォーマンスの予定。このテキストを企画全体の主題にしようと思っているので、各演目名には「灯火(ともしび)」という言葉を入れさせていただきました。
極めて実験的な試みではありますが、士族の商法にならないよう、この10か月の企画継続期間、ブラッシュアップを図りますので、ご興味を持っていただければ幸いです。